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2016/07/19(火)
天気:くもり
研究所の顧問から借りた本のこと。
今度、なんか変な人が取材にくるのだと、研究所の顧問が不安そうにしていたのが今年の春先のこと。
なんでも、納豆の謎を追ってアジア諸国を犬をお伴に巡っているらしいとのこと。そしてお名前が「タカノ」さんだという。
タカノさんと聞けば、とっさに「おかめちゃん」とこの・・・と思ってしまうのは納豆業界ならではかもしれません。
そんなネタにしか思えない自己紹介でアポを取ってやってきたそのノンフィクション作家さんに、120%戸惑いながら取材を受けた顧問。
数ヶ月後、本気度1000%と書かれた本をいただいたと、娘に持ってきてくれました。タカノさん、高野秀行さんというノンフィクション作家で、実際会ってみたらとてもユニークで面白い人だったと半分ほっとしながら目を輝かせて、顧問が喋っておりました。
パラパラと開いてみますと、ヤマダフーズのある地域一帯の納豆文化を詳細に書き記してありました。そして、お隣の山あいにある西和賀の希少な納豆についても。
秋田県南や西和賀など、初めて訪れた高野氏の目線で見た秋田の食文化は、まるでアジア諸国で同じく納豆文化を持つ地域を彷彿とさせたようです。
まるで異国のようだと、関東とは違う食文化に関心し、時には呆れている様子が読んでいて笑ってしまいました。
お伴の犬が、納豆犬というだけあって、秋田にある「納豆発祥の地」の碑に偶然たどりついたのも、この納豆犬が生んだ偶然だったようです。納豆犬、グッジョブ。
娘的には雄物川の学芸員さんの「雑煮なんて食べない」という発言。納豆文化の濃い秋田県県南は、正月といえば「納豆汁」。雑煮なんて食べたことがなかったものの、テレビを見れば雑煮を食べるのが日本人のしきたりとばかり放送されていますので、「いいのか我が家の正月は」とずっと思っていたものです。他の家も食べなかったと聞いてほっとしました。高野氏が驚くのと同じくらい、この地域的には日本中がお雑煮を食べる正月に軽く驚いたものです。食文化の違いって面白いですね。
高野氏の「謎のアジア納豆」は新潮社からハードカバーで発売中です。ユニークな語り口調でとても読みやすく面白い本ですよ。