VOL.10 食中毒に気を付けたいこと・おすすめの食材 管理栄養士 菅原 健美
毎年夏の前にやってくる季節、梅雨。
雨が多くなるこの季節、気を付けたいのが「食中毒」です。
食中毒はウイルスや細菌がついた食品を食べることで、下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの症状が出ます。
梅雨は湿度や気温が高く、細菌性の食中毒が増加しやすい時期です。
幼児は抵抗力が弱く、重症化しやすい傾向があるため注意が必要です。
簡単なこころがけで予防することができるので、周りの大人が気を付けてあげることが大切です。
目次
まずは清潔に
食品が安全でも、手や調理器具が汚れていては本末転倒。
調理前や食事前はしっかり手を洗いましょう。
親指の付け根や爪、手首は洗い残しが多いところなので、きちんと洗えているか大人がみてあげるといいですね。
まな板や包丁などは熱湯や漂白剤で殺菌し、調理する環境は清潔にしておきましょう。
食品はよく加熱する
加熱が不十分な食品(特に肉、魚、卵)は食中毒の原因となりやすいため、よく加熱することが大切です。
食品の中心までしっかり火を通しましょう。
野菜も生野菜より加熱した野菜のほうが安心です。
レンジ調理をするときには途中で混ぜたり、裏返して全体を加熱しましょう。
お弁当で気を付けること
長時間持ち歩くお弁当は特に心配ですよね。
ごはんとおかずはよく冷ましてから蓋をしましょう。
ごはんはステンレス容器に広げておくと早く冷めますよ。
おかずは十分に加熱し、水分の多いおかずは避けましょう。
保冷剤を付けるとおかずが冷えてしまわないか心配なかたは、抗菌シートもありますので活用してみてください。
おすすめの食材は「梅」「しそ」「酢」
梅やしそには、細菌の増殖を抑える成分が含まれています。
お弁当など、長時間持ち歩くときには、細かく刻んだ梅やしそをごはんに混ぜ込むと安心です。
また、酢は殺菌作用があるためお弁当箱を酢でかるく拭いておくことで細菌の増殖を抑えることができます。
酢飯にすると、ごはんもいたみにくくなります。
もし食中毒の症状が出てしまったら…
すぐに病院を受診しましょう。
吐き気止め、下痢止めなどの薬は、自己判断で服用しないようにしましょう。
薬は飲ませず、安静にして、脱水にならないよう経口補水液などで水分補給をしましょう。
経口補水液は電解質を含んでいるので、水分の吸収が普通の水よりも早いです。
少しのこころがけで食中毒は防ぐことができます。
元気に夏を迎えるためにも、ぜひ取り入れられそうなものからお試しください。
管理栄養士 菅原 健美