Vol26 子どもの味覚 管理栄養士 土方茉璃

子どもが

「おいしくない…」

「にがい…」と言って食べてくれない

 

そんな経験ないでしょうか。

少しのきっかけで嫌いな食べ物と認識してしまって

食べてくれなくなった。

 

しかし、大人になると

ふと急に食べられるようになって、

味覚が大人になったのかな

と思ったことがある人は多いかもしれません。

今回は子どもの味覚について考えてみましょう。

 

 

味覚とは…

味覚とは「五感」のひとつです。

「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」の

5つを合わせて五感と呼ばれていますが、

相互に深く関係しあっています。

 

味だけではなく食感、見た目や香りなど

五感を使って食べ物を感じて、

おいしさを学んでいます。

 

見た目と思っていた味が違っていた

なんてことはありませんか。

目次

 

 

味は…

舌のプツプツとした乳頭の中の

味蕾と呼ばれるセンサーによって感じています。

 

味蕾とは蕾状の器官で

味覚の受容を担っています。

 

人が食べたり、飲んだりすると

食べ物に含まれる化学物質が

味蕾の中にある味細胞を刺激することで

味覚神経に情報が伝達され、

脳に伝えられて味を感じています。

 

その数は乳児期が最も多く、

約10000個

 

成人は約7500個に減り、

高齢者は約3000個

さらに減少していきます。

 

つまり、味蕾の数が多い子どものほうが、

大人よりも敏感で、

大人が感じない味まで

感じ取っているのです。

 

 

人が感じる味は

「甘味」「酸味」「苦味」

「塩味」「うま味」の

五味で構成されています。

 

「辛味」は味がついているので

勘違いされやすいですが、

痛みや温度を感じる受容体で検知している

「刺激」に分類されるので

味ではありません。

 

五味は嗜好性の味と

忌避性の味の2つにわけることが出来ます。

嗜好性の味は

「甘味」「塩味」「うま味」で、

忌避性の味は「酸味」「苦味」です。

 

嗜好性の味は

人が生きていくうえで必要な味で、

忌避性の味は摂取しなくても

生きていける味ということですが、

忌避性の味が加わっていることで

おいしさを感じることもあります。

 

 

大人になって

忌避性である酸っぱいものや

苦いものも食べられるようになることや、

子どものころに苦手だった食べ物が、

美味しいと感じるようになるのは

経験を重ねることで

脳が安全だと学習し、

味蕾の数が減ったことにより

味を子どもの頃より

感じなくなったことによるものです。

 

カマンベールチーズや

ブルーチーズのような

クセの強い食べ物が大人になって

食べられるようになったというのは

そういうことなのですね。

 

好き嫌いにつながる味覚ですが、

少しの工夫で

嫌いを克服することもできます。

 

詳しくはこちら「Vo14 好き嫌い」をご覧ください。

 

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株式会社サノ・ファーマシー

管理栄養士 戸澤清歌