第一回目 「納豆の「効能」についてパッケージに書いてほしい!?」問題。

 

なっちゃん応援団まーこ(以下まーこ):
今回はわたしまーこが代表して、納豆についての疑問質問をインタビューします!

納豆は毎日食べています! おいしくって手軽だからということもありますが、なんと言っても体にとても良さそう!
どうせ食べるのなら、もっと体にいい食べ方をしたいです。
よく夜に食べるといいって聞くのだけど、これって本当?
何に効果があるの?
ということで、教えて!先生!

 

桜井:
まーこさんの質問に答えますね。ヤマダフーズ開発本部の桜井です。

 

まーこ:
さっそくですが、わたしのように納豆の効果的な食べ方について悩んでいる人って多いと思うんです。
なのに、メーカーさんってヤマダフーズだけじゃなく他の納豆でも、納豆の効果について宣伝してくれないですよね? もっと宣伝すればいいのに。。。

 

桜井:
みなさん、納豆の「効果」についてよくご存知ですよね。

 

まーこ:
テレビでよく特集するので。メーカーもどんどん宣伝してほしいです。

 

桜井:
うーん。たしかに納豆の特集番組のあとは、納豆がよく売れますね。宣伝効果がものすごいです。

 

まーこ:
ですよね。

 

桜井:
ただねえ・・・。ご期待いただいて言いにくいのですが納豆に「効能」があるって言えないんですよ。

 

まーこ:
えー。わたし毎日食べてきたのに〜。テレビでもあんなに言っているのに?

 

桜井:
でも、納豆は体にはとてもいいですよ。人の体は、食べたものだけで作られますから、納豆のような栄養価にすぐれた食品は、健康な体にかかせません。
ただ、まーこさんはじめ、みなさんがおっしゃる「効能」って、これは例外もあるけど基本的には薬にしか使えない言葉なんです

 

 

まーこ:
そうだったんですか。

 

桜井:
納豆は食品ですよね。だから、何々に効くとか、こんな効果があるとか、例えば夜に一パック食べると良い、などという表現はできないんですよ。
こういう表現は全部、薬についての表現です。
これらは薬に関する薬機法という法律でそう決められているんです。

 

まーこ:
テレビでは言っていいの?

 

桜井:
学術的な見解として、商品を特定しないで話すのは問題ありません。
ところが、特定の商品にこうした表現を使ってしまうと、例えば、本当ならお医者さんからきちんと薬を処方されないといけないのに、薬ではなく、食品である納豆に頼り切ってしまう、なんて取り返しのつかないことになりかねませんよね。

 

まーこ:
なるほど。

 

桜井:
健康維持のために健康にいい食品を選ぶことと、体の不調を治すためにきちんと効果効能が証明されている薬を選ぶことを一緒にしてはいけないんです。
一方で、先ほど言った例外なんですけど、特定保健用食品、略してトクホと言って食品だけれども病気にならないように予防的な食べ方で一定の効果が認められたものは、限定的ですが効果や効能を表現できるんです。

 

まーこ:
トクホってときどき聞くことがあります。お茶で体脂肪を減らす効果のある商品がありますね。
けれど納豆の効能って、テレビだけの話なんですね。

 

桜井:
本当に「効能」があるかもしれないし、ないかもしれなし、、、
あるって言いきれないし、法律で決められてるし、、、
ちょっとがっかりしましたか?
けれど、健康な体作りのために栄養価に優れた納豆を食べ続けることはとてもいいことだと思いますよ。

 

まーこ:
たとえばどんな?

 

桜井:
納豆は良質なタンパク質が豊富です。

 

まーこ:
筋トレマニアが好きそうですね。

 

桜井:
マニアではなくても、タンパク質は体にかかせない栄養ですよ。
例えば、髪の毛や爪、お肌。最近は女性だけじゃなく、男性もケアが当たり前になっていますね。
これらも全部、タンパク質からできています。不足すると、ツヤがなくなったり、お肌が荒れやすくなったり影響がでます。

 

まーこ:
納豆に良質なタンパク質が豊富って聞きますね。

 

桜井:
良質なタンパク質ってどういうことかわかりますか?

 

まーこ:
うーん。。。低カロリー低脂質、いやこれはタンパク質とは違いますね。なんでしょう?

 

桜井:
タンパク質の質を決めるのがアミノ酸スコアです。納豆はアミノ酸スコアが100でパーフェクト。

 

まーこ:
なんだかすごそうですね。・・・よくわからないけれど。

 

桜井:
人の体を作るアミノ酸は20種類あるんです。このうち11種類は体内で作られるのですが、残りの9種類は食品として取り入れる必要があるんです。
この9種類のアミノ酸のことを「必須アミノ酸」といいます。

食品のタンパク質の質を決めるのがこの「必須アミノ酸」のバランス。
アミノ酸スコアというのは、このバランスを表したものです。

 

まーこ:
バランスの良し悪しってどういうことですか。

 

桜井:
よく使われる図が、9枚の板でつくられた木桶。

 

 

アミノ酸9種類の含有量が全部同等だとスコアが100。
そして、含有量がたとえば70しかないアミノ酸がひとつでもあれば、たとえほかの8つが100でもスコアは70になってしまうんです。
木桶に水を入れるとわかりますね。いくらほかが100の高さがあっても70しかない高さがひとつでもあると、中に入れた水がこぼれてしまって70までの水しかキープできません。

 

まーこ:
食べたタンパク質が無駄なく栄養として取り込めるのが、アミノ酸スコア100の食品、ということなんですね。

 

桜井:
良質なタンパク質の意味、納得できましたね。

 

まーこ:
お肌や髪の健康をめざすなら、納豆!ですね。

 

桜井:
スコアが100に満たない場合でも、不足のアミノ酸を含むほかの食品をメニューに組み合わせるとスコアが満点になります。

 

まーこ:
アミノ酸だけじゃなく、食生活全体がバランスがいいことが大事なんですね。

 

 

 

 

桜井:
そのほうがいろんなものを味わえるし、楽しいですしね。楽しいことはこれもまた健康にとてもいいことです。

 

まーこ:
栄養栄養ってシビアに考えすぎるのも偏っていますね。おいしくて楽しく! 食事だけじゃなく人生、バランスが大事ですね。