Vol23 暑い季節の水分補給について 管理栄養士 三平彩
むしむしする日が増え、
今年も暑い夏が近づいてきました。
暑い日が続くと
体調も不安定になりがちですよね。
夏場の体調不良は
水分の摂取不足が影響していることも
多いです。
大人は身体の約60%が
水分でできていますが、
子どもは身体の
約70%が水分であるため、
子どもの方が
大人よりも必要な水分量が多く、
脱水状態になりやすい
のです。
そこで、今回は
暑い夏を元気に乗り切るための
適切な水分補給についてご紹介します。
目次
水分補給量の目安
子どもが1日に必要とする水分量は
年齢によって異なります。
体質や活動量によっても
個人差がありますが、
目安として参考にしてみてください。
- 生後0~11カ月:体重1㎏あたり150mL/日
- 1~6歳:体重1㎏あたり100mL/日
- 小学生:体重1㎏あたり80mL/日
これには母乳やミルク、
食事からとる水分量も含まれています。
たとえば、
生後7カ月で体重7㎏の赤ちゃんは
1050mL、
5歳で体重17㎏の子どもは
1700mL程度が目安です。
水分補給のタイミング
「喉が渇いた」
と感じたときには、
すでにかなりの水分が失われています。
子どもが飲みたがったときに
飲ませるのではなく、
水筒やペットボトルを携帯し、
こまめに水分補給をすることが大切です。
そのうえで、
以下のようなタイミングには、
特に意識してしっかりと
飲ませるようにしましょう。
・朝起きた時
・遊びに出かける前後
・運動中や前後
・入浴の前後
・おやすみ前
これらのタイミング以外にも
子どもの様子や
日々の活動に合わせて
調整する必要がありますが、
時間を決めておくと
習慣化しやすいです。
一度にたくさん飲むと
身体に負担がかかってしまうため、
100mL程度の水分
(コップやペットボトルの水を
4~5口程度)を
こまめに補給しましょう。
水分補給の飲料の種類
暑い日の水分補給には、
カフェインや糖分ゼロの
水や麦茶がいいでしょう。
麦茶はミネラルが豊富に
含まれているため、
失われたミネラルの補給ができます。
水や麦茶が苦手で
なかなか飲んでくれない子どもには
コーン茶やフルーツウォーターも
おすすめです。
コーン茶は香ばしい風味と
やさしい甘みがあり、
子どもでも飲みやすい味わいです。
ノンカフェインで鉄分や
ビタミンが多く含まれているため、
麦茶と同様にミネラルの補給もできます。
フルーツウォーターは水の中に
フルーツを入れたもので、
砂糖は使用せずに果物本来の甘みや
風味を活かしたものです。
好きなフルーツを入れてみたりして、
一緒に作ってみるのはいかがでしょうか。
運動時の水分補給
運動によりかいた汗には
水分のほかに電解質(イオン)も
含まれています。
激しい運動時に水だけを飲むと、
体液中の水分と電解質のバランスが崩れ、
体液の塩分濃度が薄くなり、
過剰な水を尿として排出することで
自発的脱水を
引き起こす
おそれがあります。
さらに、補給した水分の
体内への吸収効果を上げるためには、
0.1~0.2%の食塩と
砂糖(ブドウ糖+果糖)を含んだ飲料を
摂取することが大切です。
スポーツドリンクはこれらが含まれており、
発汗により失われた水分と電解質を補い、
体液を薄めることなく、
速やかに体内に吸収され、
体水分を維持・回復します。
ただし、スポーツドリンクや
ジュースには糖分が多く含まれているため、
飲みすぎには注意が必要です。
スポーツドリンクは運動中や
大量に汗をかいたときに活用し、
日常的に飲む習慣をつけないよう
気をつけていきましょう。
適切な水分補給は、
これから気温が上がる夏に向けて
熱中症予防にもなります。
今回ご紹介したポイントを参考に、
こまめに水分補給をして
暑さに負けず楽しい夏を
お過ごしください!
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株式会社サノ・ファーマシー
管理栄養士 三平彩